as you like





「またやってますね。」
篠原が指す対象は土方と山崎のこと。山崎を土方が叱責しているところだった。真選組では日常風景だ。
「ああ。」一瞥して興味も無さそうに去る。
篠原はその伊東の後をついて歩く。伊東は、土方と山崎のお決まりの風景をぎゃーぎゃーと騒いでやかましい、くらいにしか伊東は思っていなかった。
「あの山崎というのは君の先輩に当たるんだろう?いつも土方に咎められている。有能ではないのだな。」
「いや、山崎さんは有能だと思いますよ。監察の中では。あれはただ土方さんが山崎さんをあやしてるのと一緒ですよ。あ、逆かな。山崎さんが土方さんを、かな。」篠原はくすっと笑いながら言った。
「じゃれてるのか、全く暇な奴らだな。」
「違いますよ、愛情表現でしょう?」
「もっとマシな表現の仕方があるだろうに、土方はやはり器用が悪いな。」
あなただって十分不器用ですよ、と心の中で呟く。
あ、と思い出したように言う。
「先生。例の仕事、今日の夜やってきます。明日には報告できると思います。」
「分かった。」
「で、報告ですが、明日の夜、お部屋に伺っていいですか。」
このフレーズはつまりそういうことを意味している。報告を特別に先生の部屋で、しかも、夜にする必要なんてどこにもない。それを分かっている伊東は篠原から目線を逸らして格好がつかない様子で、「ああ。好きにしろ・・・。」と言った。


「はい。好きにします。」
先生も、お好きなように愛して下さいと密かにお願いした。



(おすきなように。篠原がなぜかプレイボーイ風味。2008/10/04)